日本食や和食とされる食事は、もともと日本家屋のなかで料理を出すことを前提として考えられたものです。

畳を敷いた部屋のなかで個別に運ばれてきて、正座したり胡座をかいて食べるために作られた食事だったのです。

もちろん、そうやって和室でご飯を食べる家庭は今でもあって、だれもが広い畳の間である宴会場で会食する機会もあります。

ただし飲食店などではテーブル席で食事をするようにしたほうが店の回転率などを考えれば都合がよく、多くの店がこの方法をとっていることは既成の事実でもあります。

日本料理店といった看板を掲げている店では、形式に則って料理を出すメニューなども設けています。

それは懐石料理コースといったもので、最初に八寸というオードブルが運ばれてきて、それを食べ終えたら揚げ物や煮物という種類のものが出されて次にメインの刺し身やてんぶらが準備されたりするわけです。

さらには冬ならば鍋物が用意され、最後に麺類と甘いデザート的なものが出されて終わるというようなコースになっているかもしれません。

もちろんこれだけのコース料理を出すときも全体でどれくらいの時間が必要になるかは気になるので、そのために宴会時間の予約などもするわけです。

それに対して、テーブル席をメインとしている飲食店では、たくさんの客に入ってほしいために一食の量なども詳しく計算されています。

さらには店の経営のことを考慮に入れ、テーブルや椅子の数なども決められていることは言うまでもありません。